出せば「バカ売れ確実」なクルマ好きが望む過去の技術! それでも復活できない「事情」とは

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この記事をまとめると

■クルマには時代の要請で消えてしまったロストテクノロジー的な機能や装備がある■技術的には再現可能であっても安全面や規制の強化によって再現できないものも多い■現在は当たり前のものであっても今後の規制強化などによっては消えてしまう可能性もある

スーパーカーの象徴もいまでは完全消滅

 自動車テクノロジーの進化というのは、大きく商品力アップと社会的ニーズへの合致というふたつによって方向づけられてきている。わかりやすいキーワードでいえば、普及、廉価、便利、安全、環境といったところだろうか。そうして進化していくなかで、かつては当たり前だったものが失われ、二度と復活することがない、ある種のロストテクノロジー的になっていくことがある。 そこまでいうと大袈裟かもしれないが、ここでは今後復活することはないであろう4つの装備・メカニズムをピックアップして紹介しよう。 この手のクルマで失われし機能でいえば、いの一番に思い出すのが「リトラクタブルヘッドライト」だ。点灯時だけ展開するヘッドライトは、昼間にみるとシャープな顔つきとなり、また空力特性にも有利なため1970年代のスーパーカーブームでは、まさにスーパーカーのアイコン的装備となり、1980年代からは日本車でもかなり幅広く採用された。 ファミリーカーのアコード、コンパクトカーのカローラIIにもリトラクタブルヘッドライトが採用されていたほどだ。 もとともは規格品のヘッドライトを使ってクルマをスタイリッシュに見せるために生まれたリトラクタブルヘッドライトがなぜ消えてしまったのか。それは歩行者保護などの安全基準を満たすためにほかならない。リトラクタブルヘッドライトを展開している状態では突起物となってしまい歩行者保護の観点からNGになってしまう。 ほかにもいくつか理由はあるが、歩行者保護についての保安基準を考えると、今後リトラクタブルヘッドライトの量産モデルが誕生する可能性はゼロに近いといえるだろう。

社会的なニーズが今後のクルマの姿を決める

 先日トヨタが将来的にレクサス・ブランドを100%電気自動車にすると発表したように、クルマの電動化トレンドは止められない状況だが、それでもエンジンはしばらく残るというのもまたリアルな見方だ。それでも、マルチシリンダー(多気筒)でなおかつハイレビング(高回転)なパワーユニットは消えていく一方なのは間違いない。 なぜなら騒音規制がどんどん厳しくなっていくからだ。なぜ高回転と騒音規制が関係あるのかといえば、近接排気騒音の測定ルールがそのひとつの理由となる。 日本における近接排気騒音の計測の仕方は、停車状態の車両に対してマフラー出口の斜め45度・50cmの距離に計測器を置き、エンジンを最高出力発生回転の75%まで回して計測することになっている。仮に9000rpmで最高出力を発生するようなエンジンであれば6750rpmまで回さねばならない。高回転になるほど騒音規制をクリアするのは難しくなるのは自明だ。 もちろん、最高出力は比較的低回転で発生させ、高回転まで惰性でまわるようなエンジンを作れば、高回転域までまわして楽しむことはできるが、それは速く走るという意味ではナンセンスであり、そんなカタチばかりの高回転エンジンに商品力が生まれないことも明らか。 また、フリクションロスを考えても高回転まで回すことはネガが多く、環境性能からしてもハイレビングエンジンが生き残っていく余地はほとんどない。 さらに走行時の騒音規制についても厳しくなっている。すでに次世代の騒音規制をクリアするには内燃機関では難しく、電動化が必須とさえ言われているが、そこで問題になってくるのがタイヤ由来のノイズだ。とくにハイグリップでパターンが大きいほどタイヤノイズが大きくなる傾向にあり、いわゆるスポーツタイヤといわれるものは今後の騒音規制をクリアできないという話もある。 このあたり、技術革新も進むので現時点で悲観的な話をする必要はないかもしれないが、騒音規制とタイヤの関係についても注視していく必要がある状況となっている。 安全面での社会的ニーズ、規制というのもクルマ作りには大きく影響する。たとえばABSや横滑り防止装置については基準として義務化されているし、SRSエアバッグについても実質的には非装備というのはあり得ないというのがユーザーニーズだろう。 つまり「なんの電子制御もない機械本来のプリミティブな走り」を味わうことは、新型車ではほぼ不可能になっている。電子デバイスを持たないクルマを新車で作って売るには、かつて認証を受けたモデルのバリエーション違い、あるいはマイナーチェンジといった扱いで作るか、もしくは100台に満たないような少量生産でなければ実現できないだろう。 ただし、小さなモーターを載せた小さなモビリティとして新カテゴリーの四輪車については電子制御の義務化対象外だったりする。電動化時代におけるスモールモビリティでは、逆に電子デバイスのないピュアな走りを楽しめるという時代になるかもしれない。

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