立ち往生が頻発するロシアではウォッカも常備! 最悪「死」もあり得る「降雪時期」にしておくべきクルマの準備とは
この記事をまとめると
■日本列島に寒波が襲来して多くのクルマが立ち往生している■ロシアではクルマに毛布と人によってはウォッカを載せておくのが常識■日本でも毛布と水などのサバイバルセットを標準搭載しておくのもいいかもしれない
雪で立ち往生をすると最悪では命に関わることもある
本稿執筆時は日本列島に寒波が襲来し、各地で大雪が降っているとニュースが報じている。ここ数年は、寒波が襲来すると、大雪により降雪地域の高速道路や主要幹線道路で大規模な車両立ち往生が発生しているが、さっそく立ち往生が発生したともニュースは報じている。立ち往生が数日間に渡ったりして、自衛隊が出動しての除雪作業が行われる一方で、沿線の食堂などでの立ち往生に見舞われたドライバーへの炊き出しや、立ち往生に巻き込まれた製パン工場のトラックが、出荷中の商品となる菓子パンなどを無料で配るなど美談も報じられることも多いが、もちろん、このような立ち往生は日本に限ったことではない。 筆者が初めて、アメリカ ミシガン州 デトロイトで毎年1月に開催されていた(今は6月開催へ変更となったが、コロナ禍で6月は1度も開催されていない)デトロイトショーの取材に初めて訪れたとき、デトロイト一体はまさに豪雪に包まれていた。空港近くのホテルにチェックインし、近くにリカーショップがあったので、歩いて買い物に行こうとしたら、ホテルスタッフに「死ぬ気か」と怒られた。数年後に積雪はそれほどでもなかったのだが、摂氏マイナス10度近くのなか、徒歩で10分ほどの大手ハンバーガーショップへ買い物に行ったのだが、「死ぬ気か」と言われた意味がよくわかった。東京隣接地域に住んでいればおよそ体験することのない低い気温のなか歩くのは確かに自殺行為に近いと肌身で感じた。 そのころデトロイト在住の日本人に聞いたところ、フリーウェイで事故などが発生して道路上で立ち往生することはよくあるとのことであった。そのため、クルマのトランクやラゲッジルームには必ず毛布を置いておくとのことであった。そんな雪と寒さが名物のようであったデトロイト周辺も、ここ数年は滞在期間に雪がほとんど降らなかったり、最高気温が摂氏でプラス10度近くになることも珍しくなくなり、フラフラと出歩いても死にそうなほどの寒さではなくなっている。
ロシアでは毛布とウォッカがトランクに積まれている!
ロシアのモスクワで以前聞いたところでは、クルマに毛布とDVD(動画配信サービスがなかったころの話)、そして人によってはウォッカを載せておくとのこと。当時聞いたところでは、交通事故が発生した時は、その程度に関係なく交通警察が到着するまで現場保全をしておかないと保険手続きなどで問題が発生するとのことであった。モスクワ市内は東京のように、複数の環状道路があり、このような主要幹線道路でひとたび大規模な交通事故が発生すると、事故処理に時間を要し半日ほど立ち往生することは珍しくないとの話で、冬季は前述したようなものを積載しておくとのことであった。 最近でもロシアのシベリア地域あたりでは、寒波の襲来とともに、大規模な立ち往生が頻発していると地元のテレビ局が報じていた。そしてニュースでは「車内で眠ると死んでしまうので注意して欲しい」と報じていた。ちなみにロシアブランド車(とくにソビエト時代からしばらく生産されていたモデル)は、故障が多く冬季に故障して立ち往生すると生命に関わるとのことで“冬眠”させるオーナーが多いとの話も聞いたことがある。 日本でも降雪地域のドライバーなどでは、毛布などを搭載しているのかもしれないが、たまたま仕事やレジャーで訪れた、東京及び隣接地域など降雪にほとんど縁のない地域のドライバーはそこまで、生活の知恵はなかなかまわらない。日本は地震などの天災も多いのだから、毛布とミネラルウォーター、そして非常食程度を「サバイバルセット」として、スペアタイヤ(バンク修理キット)みたいに、完成車出荷時に標準搭載していくというのも悪くないかもしれない。