パッド&シューの点検とフルードを見ておけばOK……じゃない! ローターもドラム自体も消耗品だった
この記事をまとめると
■ブレーキのメンテナンスといえばパッドやシュー、フルードの交換などが定番■見落としがちだが、ローターとドラムも消耗品だ■これらの替え時について解説する
ローターとドラムも要チェック!
ブレーキのメンテナンスと言えば、クルマ好きならパッドやシュー、そしてフルードの交換が思い浮かぶだろう。バッドとシューは摩擦材なので、利かせれば利かせるほど減っていくし、フルードは吸湿性があって熱によっても劣化していくので定期的な交換が必要だ。その他には、内部のシールを交換などするオーバーホールもあるが、これはかなりの手間だし、劣化の判断も難しいので、車検時にプロに委ねるのが一般的となる。 ブレーキ関係で注意すべきはこのようなところに思えるが、盲点的な部位としてローターとドラムがある。金属ゆえパッドのようなスピードでは減らないものの、パッドやシューが押し付けられる側になるので、確実に減っていく。また制動時の熱によって歪んでくることもあって、ブレーキペダルを踏んだときに振動する原因となるなど、影響は意外に大きい。 ローターも制動力に影響を与えるので、常用スピードが高い欧州車では柔らかい素材を使用していることあって、より早く摩耗する。そのため、交換頻度が上がることから、交換用の部品はかなり安く提供されていて、メルセデスといった高級ブランドでも同様だったりする。日本車の場合は逆にユーザーの負担を減らすためと、常用速度域が低いこともあって、パッドやシューともども、ディスクもドラムも長持ちさせるようにしている。
交換タイミングはどう判断する?
ではいつが替えどきなのかと言うと、当たる部分の薄さが許容値を超えたとき。そこまでいくと、外周部分に“耳”と呼ばれるパッドが当たるところと当たらないところでの段差も発生している。また、レコードラインと呼ばれる当たった跡につくスジが大きく何本も入ったり、すでに紹介した歪みが発生していても交換したほうがいい。この場合、基準値まで減っていなければ表面を研磨して平らにしてやれば使えるが、外して研磨業者に持っていく手間と加工賃がかかり、そもそも業者自体が減っていることなどから、今では新品に交換してしまうことがほとんどだろう。 減ったままに置すると、パッドやシューがどんどんと外に出てきて、押しているピストンが飛び出てしまうこともあるので、たまには見てみて、耳の量などを確認し、あまりに段差が大きいようならプロにチェックしてもらうといいだろう。スポークのすき間が大きいアルミホイールならパッドの残量を見るよりも簡単にできる。