BMW X3の特徴は? スペックからモデルごとの変遷まで解説!
この記事をまとめると
■「X3」はBMWのミドルサイズのSUV■現行型で3代目となる■歴代や最新モデルの詳細について解説する
よりスタイリッシュに、より安全になった「X3」の魅力を紹介
2017年10月19日にフルモデルチェンジが発表され、2021年10月28日にマイナーチェンジが行われた「BMW X3」。 今回はよりスタイリッシュに、そしてより安全機能が進化した新型「BMW X3」の魅力をご紹介していきます。
新型BMW X3の特徴とは?
「X3」は、BMWのプレミアムコンパクトSUV「X1」とプレミアムSUV「X5」の間に位置するミドルサイズのSUV。高いオンロード性能と運動性能を持つ「SAV(スポーツ・アクティビティー・ビークル)」というBMWのコンセプトのもと、従来のSUVとは異なる観点で進化を続けてきた1台です。 フェイスリフトを受けた「BMW X3」の基本スペックは、サイズが全長4720mm×全幅1890mm×全高1675mmとマイナーチェンジ前とは同サイズ。トランスミッションは8速ATで、フルタイム4WD「BMW xDrive」を全グレードに採用されています。「BMW xDrive」とはオーバーやアンダーなどの不安定な挙動に対して事前に察知して前後のトルクを最適化し、いかなる路面状態でも常に最高の運動性能が発揮できるインテリジェントシステム。 エクステリアはフロントとリアのデザインが一新され、より精悍で力強い印象に。新型のキドニーグリルやスポーティなエアインテークなどの採用によりダイナミックさとスポーティさがいっそう際立つ外観となりました。 内装では、12.3インチの視認性に優れたタッチパネル機能付きディスプレイで操作する「BMWライブ・コックピット」、先進的な運転支援システム「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」やホールド感抜群の「運転席&助手席のスポーツシート」、M高級感を引き立てる「ガルバニック仕上げのスイッチ類」が全モデル共通で新たに採用されました。「BMW X3」の主要ラインナップは、2L直列4気筒BMWツインパワー・ガソリン・ターボエンジンを搭載した「xDrive20i」(最高出力184馬力)。 2L直列4気筒BMWツインパワー・ディーゼル・ターボエンジンを搭載した「xDrive20d」(最高出力190馬力)。「xDrive20d」ではMモデル用のエクステリアやM Sportのホイール、厳選されたヴァ―ネスカ・レザーシートなどのスペシャルティな装備が加わった「Mスポーツエディション」も用意されています。 プラグインハイブリッドモデルの「xDrive30e」は、2L直列4気筒エンジンと、最高出力109馬力(80kW)を発揮するモーターを搭載し、システム出力292馬力(215 kW)を達成。 このプラグインハイブリッドモデルには「Mスポーツエディション」の他に、55万円お値打ちな「Mスポーツ エディションジョイ+」もラインナップされています。 価格設定は「xDrive20i」が699万円、「xDrive20d」が719万円、「xDrive20d」Mスポーツが766万円。「xDrive30e Mスポーツ エディションジョイ+」が802万円、「xDrive30e Mスポーツ」が857万円となっています。
「BMW X3」マイナーチェンジでどう変わった?
デザイン面ではBMW伝統のキドニーグリルが左右一体の新構造となり、さらに精悍に。 フロントとリアのバンパーセクションをスタイリッシュに処理することで空力性能が向上したとともに、迫力のあるスタイリングを獲得しています。 インテリアは主にハイグロスのトリムが特徴の、ラグジュアリーで落ち着いた空間を演出。 インフォテインメントシステムは音声認証システム「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」を搭載。Amazonアレクサ・インテグレーション対応のスマホで自宅と同じように簡単に音声サービスを操作することができます。 装備では、国内認可取得モデルでは初となる「ハンズオフ機能付き渋滞支援機能」が実装されたほか、高性能な3眼カメラとレーダー、プロセッサーによる最新の予防安全・運転支援システム「ドライビングアシストプロフェッショナル」も全車採用。 全車速対応の「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」や「レーンキープアシスト」、「後側方支援警戒システム」や事故回避アシスト付の「衝突回避・被害軽減ブレーキ」もヒョジュン装備です。 ペダルの踏み間違いによる「急発進抑制機能」や、直前に走行した最大50mのルートを記憶し同じルートをバックで正確に戻れる「リバースアシスト機能」を備えた「パーキングアシスタント」も標準装備となり、万が一狭い道へ迷い込んだ場合でも焦らず脱出することが可能です。
BMW X3のモデル変遷を解説!
「BMW X3」が今回の最新マイナーチェンジに至るまで、どのような変遷を辿ってきたのでしょうか。 歴代モデルを振り返ってみましょう。
初代「BMW X3」
「SAV(スポーツ・アクティビティー・ビークル)」という新たなコンセプトのもと、1999年に発売されたプレミアムSUV「X5」の成功を受けて、BMWは「X5」シリーズよりひと回り小さく、排気量や価格も抑えたモデル「BMW X3」を発表、2004年より販売が開始されました。 初代モデルでは2.5L直列6気筒エンジン搭載の「2.5i」(最高出力192馬力)と、3L直列6気筒エンジン搭載の「3.0i」 (最高出力231馬力)という2つのラインナップが用意され、サイズは全長4565mm×全幅1855mm×全高1675mm。ドライブトレーンは5速ATとフルタイム4WDが組み合わせられました。 コンポーネントは「BMW 3シリーズ」のE36、E46と共通で、初代「X3」は「X5」をただコンパクトにしただけではなく「BMW 3シリーズ」の軽快感を踏襲しています。 発売開始から1年後の2005年11月には「Mスポーツパッケージ」が発表され、2006年には初のマイナーチェンジモデルを発表。 新しく開発された直列6気筒エンジンと6速ATが搭載され、グレード名も「2.5si」と「3.0si」に変更されました。 2008年式以降の「X3」では、インテリジェント4WDシステム「xDrive」にちなんで「xDrive25i」と「xDrive30i」グレード名が変更されています。
2代目「BMW X3」
2010年にフルモデルチェンジが発表され、2011年式より発売開始となった2代目の「BMW X3」。 デザインをキープコンセプトとしながらも、ヘッドライト、キドニーグリル、ボディーサイドのラインなどが変更され、迫力が増したフロントフェイスやホイールハウスのブラックアウト化でSAVならではのヘヴィーデューティさを演出しています。 発売当初は3L直列6気筒エンジンのみの設定で、可変バルブリフト機構の自然吸気ユニットを搭載した「xDrive28i」(最高出力245馬力)、直噴、バルブトロニック、ツインスクロールターボチャージャーを搭載した「xDrive35i」(最高出力306馬力)の2グレートが用意されました。 基本スペックは、サイズが全長4650mm×全幅1880mm×全高1675mm、ホイールベース2810mmと拡大され、トランスミッションも8速ATに進化。 発売から1年後の2012年には、2代目「X3」エントリーモデルの「xDrive20i」が追加導入され「xDrive28i」グレードのエンジンが直列6気筒の3L自然吸気エンジンから直列4気筒2L直噴ツインスクロールターボエンジンに変更されました。 同年9月にはクリーンディーゼルエンジンを搭載した「xDrive20d Blue Performance」が加わり高い環境性能とトルクフルの両立を実現。 2014年にはフェイスリフトモデルが発表され、低燃費性もさらにアップしました。
3代目「BMW X3」
2017年、現行モデルとなる3代目の「BMW X3」が発表。 大型化されたキドニーグリルを中心にBMWの「X」シリーズらしいワイルドな印象を受け継ぎながらも、ボディーは流れるようなシルエットが印象的なデザインに変化しました。 クーペのようなルーフデザインを取り入れることによって空力抵抗の性能が大幅に上昇し、ミドルクラスSUVではトップクラスのCd値「0.29」を達成しています。 ヘッドライトとフォグランプにはLEDが標準装備となりました。 グレードは2L直列4気筒ツインパワー・ガソリン・ターボエンジンを搭載した「xDrive20i」(最高出力184馬力)と、2L直列4気筒ツインパワー・ディーゼル・ターボエンジンを搭載した「xDrive20d」(最高出力190馬力)が中心で、特別仕様の「Xライン」と「Mスポーツ」も同時に発表されています。 サイズは2代目に比べて全長が+55mm、全幅が+10mmとアップしていますが、重量は-55kgの軽量化に成功。 その後、3代目「BMW X3」では日本初導入となる高性能ディーゼルエンジンを搭載し、最高出力326馬力を誇るMパフォーマンスモデル「M40d」の発表や、積極的な特別仕様車のリリース、プラグインハイブリッドモデルの発表などを経て今回の最新マイナーチェンジに至っています。
BMW X3シリーズの選び方!
改良新型の「BMW X3」では標準装備やオプションを高い自由度で組み合わせて、ドライバー好みの「X3」をチョイスすることができます。 まずエンジンは、ガソリン仕様の「BMW X3 xDrive20i」、ディーゼル仕様の「BMW X3 xDrive20d」、プラグインハイブリッド仕様の「BMW X3 xDrive30e」、高出力Mパフォーマンスモデルのガソリン仕様「BMW X3 M40i」、Mパフォーマンスモデルのディーゼル仕様「BMW X3 M40d」から選択可能。 次にモデルラインでは、標準仕様の「スタンダード・モデル」、フロントやリア、ホイールから内装までスポーティなオプションが詰め込まれた「Mスポーツパッケージ」の2種類を選択することができます。(「BMW X3 M40i」、「BMW X3 M40d」は「Mモデル」専用オプションのみ) エクステリアのカラーは「アルピン・ホワイト」と「ブラック」が標準カラーとなり、オプションで「ブラック・サファイア」「ソフィスト・グレー・ブリリアント・エフェクト」「ミネラル・ホワイト」「ファイトニック・ブルー」「BMW Individual ブルックリン・グレー」などが選択できます。 ホイールは、ガソリン仕様の「BMW X3 xDrive20i」、ディーゼル仕様の「BMW X3 xDrive20d」の場合、「20インチ ライト・アロイ・ホイール Y-スポーク・スタイリング 693」標準装備となり、「20インチ ライト・アロイ・ホイール Yスポーク・スタイリング 695」がオプションで選択可能となっています。 プラグインハイブリッド仕様の「BMW X3 xDrive30e」では「19インチ Mライト・アロイ・ホイール ・Yスポーク・スタイリング 887 M バイカラー」が標準装備となり、「20インチ Mライト・アロイ・ホイール ダブルスポーク・スタイリング 787M」と「20インチ Mライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング699M」がオプションで選択できます。 Mモデルでは「21インチMライト・アロイ・ホイール ダブルスポーク・スタイリング 718M バイカラー」が選択されます。 このほかにもインテリアやトリム、オプションパッケージや追加の運転支援機能なども選択できるため、自由度が高すぎて迷ってしまう方も多いかもしれません。 そんな「迷える子羊」におすすめしたいのが「BMW X3の厳選コンフィギュレーション」の3台。「ESSENCE」、「BALANCE」、「SIGNATURE」と名付けられた3つのモデルはBMWがイチオシする特別な組み合わせとなっています。 まず「ESSENCE」ではディーゼルエンジンのスタンダートモデルをベースに、標準のブラックエクステリア、「ヴァーネスカ・レザー モカ」のシート、ブラックの内装類が組み合わせられ、「フロントシートランバーサポート」と「アクティブ・ベンチレーション・シート」がセットになったオプションの「レザーパッケージ」が装備。「BALANCE」では、プラグインハイブリッドエンジンと「Mスポーツパッケージ」がセットになっており、ブラックで固められた内装類と外装が洗練された印象を与える1台です。 オプションでは助手席側のボイスコントロール用マイクが搭載されているため、オーディオやナビゲーションを両側から自由に操作することができます。「SIGNATURE」では、ディーゼルエンジンのスタンダートモデルがベースとなり「BMW X3」のイメージカラーとされている「ファイトニック・ブルー」の外装がアクティブなイメージを演出します。 オプションには「フロントシートランバーサポート」と「アクティブ・ベンチレーション・シート」がセットの「レザーパッケージ」が設定されており、痒いところに手が届くベストなコンフィギュレーションとなっています。 気になる方はBMWの公式WEBサイトでご確認ください。 ここまで新型「BMW X3」のマイナーチェンジ後の特徴や歴史、「X3」の選び方などをご紹介してきましたが、マイナーチェンジの発表と同時期に「X3」をベースにしたピュアEVの「iX3」も発表されるなど、さらにラインナップが拡大していく傾向にあります。 さらなるテクノロジーの開発によって「X3」がどのように進化していくのか、今回のモデルだけではなく今後の動向にも注目していきたい一台ですね。