かつて人気だった輸入車の下取り価格が下落! リセールバリューが悪化した理由とは
この記事をまとめると
■いま輸入車のリセールバリューは下がってきている■その理由は輸入車の売り方にある■多額の値引きで購入するとリセールバリューが下がる
購入時は100万円を超える値引きがされることも
かつての輸入車は「リセールバリュー(数年後に売却する時の価値)が高い」といわれたが、今は日本車が有利になることも多い。極端な例では、ランドクルーザーは購入から3年を経過しても、新車時の70〜80%で売却できる。アルファードも高値で手放すことが可能だ。 その点で輸入車は、リセールバリューが下がってきた。その理由は輸入車の売り方にあり、今は日本車に比べて値引きが多いことだ。とくに一時期のBMW、メルセデスベンツ、アウディ、ボルボなどは、新車価格が約500万円の車種でも、フルモデルチェンジが近付くと100万円を超える値引きで販売されていた。 一般的に大幅な値引きは、販売店としては公表したくない。そこで商談が進んだ段階で値引きを拡大させるが、BMWやボルボは違った。販売店に出かけてカタログを入手して、「ちなみに値引きは?」と尋ねると「100万円は値引きする」と返答された。 大幅値引きの原資は、メーカーが日本法人を経由して、販売店に支払う販売報償金だ。これを値引きに充当するから、大幅値引きが可能になった。 決して悪いことではない。レクサスは発売から11年を経過したCT200hでもほとんど値引きをしないが、これではユーザーも買う気にならない。クルマの価値はライバル車との相対的な評価で決まるから、発売された時には最新鋭でも、10年以上を経過したら後発の車種に追い抜かれて魅力が下がってしまう。
多額の値引きで購入するとリセールバリューが下がる
この度合いは、発売後に受けた改良によっても異なるから一概にはいえないが、魅力が下がることに変わりはない。値引き額が商談の仕方によって上下するのは不公平だが、発売から長い期間を経過した車種は、購入時の出費も安くするのは当然だ。 その代わり多額の値引きで購入すれば、高値で売却することはできない。つまりリセールバリューが下がる。 販売店によると「今は以前に比べると、メーカーから支給される販売報償金が減った。従ってモデル末期になってフルモデルチェンジが近付いても、以前のような大幅値引きはできない」というが、それでも日本車に比べると値引きは大幅に多い。輸入車は車両価格も日本車に比べて割高に設定され、その分も値引きにまわすから、数年後に売却する時の金額は新車価格に比べて大きく下がる。 また輸入車には、売れ筋グレードと同じガソリンターボエンジンを搭載しながら、過給圧を高めて動力性能を向上させ、装備も少し充実させた上級グレードを用意する車種もある。このような中途半端な上級グレードも、リセールバリューが下がりやすい。新車価格が高い割に、中古車になった時の注目度は低く、中古車価格を高めたら売れないからだ。 そして輸入車の中古車では、ブランドや車種による人気と不人気の差も大きい。中古車市場で販売しにくいブランドや車種は、リセールバリューも大きく下がるから注意が必要だ。 その指標は、中古車価格から判断できる。中古車のウェブサイトをチェックして、新車時の価格、年式や走行距離の割に中古車価格が安い車種は、高値で売却するのも難しい。そのような輸入車を購入したら、長く使うのがコツだ。