2月時点で7万台の受注も6%しか納車されず! 超絶人気ミニバンの「ノアヴォク」は今買っても乗れるのは遙か先だった

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この記事をまとめると

■トヨタのミニバン、ノア&ヴォクシーがフルモデルチェンジを実施■2022年に発売された新型車のなかでも特に注目度の高い車種だ■新型ノア&ヴォクシー受注状況や納期について解説する

先代の登録台数はモデル末期でも1カ月1万台超え!

 2022年に入ってから発売された新型車のなかで、とくに注目度の高い車種は、1月13日に発売されたノア&ヴォクシーだ。両車とも3列シートミニバンの人気車種になる。 先代型は2014年に発売され、2015年にはノア+ヴォクシー+エスクァイアの合計登録台数が1カ月平均で1万7000台を超えた。2021年におけるヤリス+GRヤリス+ヤリスクロスと同程度の売れ行きであった。「今後は少子高齢化が進み、ミニバンの売れ行き下がる」という指摘もあるが、実際の売れ行きは堅調だ。ノア+ヴォクシー+エスクァイアの合計登録台数は、モデル末期とされた2021年においても、1カ月平均で1万台を超えていた。 そして販売店からは「ミニバンは車内に開放感があって便利に使えるから、子育てを終えても、ノアやヴォクシーを乗り続けるお客様が多い」という声も聞かれる。目下のところ売れ行きが大幅に下がる気配はない。 そうなるとノアやヴォクシーを放置するのはもったいない。モデルチェンジして進化させたいが、先代ノア/ヴォクシー/エスクァイアは、プラットフォームなどの基本設計が根本的に古かった。つまり、もはや進化が困難な状況にあった。 そこで新型は、エンジン、ハイブリッド、プラットフォーム、安全装備、運転支援機能などのすべてを刷新させている。その代わりに開発費用も膨大に費やした。失敗は許されず、そのために数々の先進装備も採用して、先代型のユーザーが「ここまで進化したなら乗り替えたい!」と思えるミニバンに仕上げた。

複合的な理由により納期遅延が発生

 いわば渾身の力作だから、売れ行きも大幅に伸びて当然だ。発売前の時点で、予約受注は3万台を超えており、発売から約1カ月を経過した2月には7万台に達した。ところが実際の2月の登録台数は、ノアが2227台、ヴォクシーは2073台に留まる(エスクァイアは廃止)。両車を合計して4300台だから、2月の登録台数は、受注している台数の6%だ。90%以上が受注を受けた状態で残っている。 こうなると納期も長引く。販売店は以下のように説明した。「ノアの納期は、ノーマルエンジンが4カ月で、ハイブリッドは8カ月を要する。ヴォクシーは、ノーマルエンジンが5カ月、ハイブリッドは9カ月だからノアよりも1カ月長い。さらに両車とも、安全装備のオプション装着により、納期が2カ月上乗せされる場合がある」。 ヴォクシーハイブリッドの納期は9カ月だから、安全装備の選び方次第では約1年待たされるわけだ。前述のように生産が滞り、その一方で受注台数は伸びているから、納期が急速に長くなった。このままではヴェゼルe:HEV・PLaYのように、受注を停止する事態に陥るかも知れない。 納期遅延の原因は、まず新型コロナウイルスによるパーツやユニットの供給不足だ。開発者は「新聞などは半導体の不足と説明するが、実際はさまざまな供給が途絶えている。しかも不意に停止するから、対策を立てるのが難しい」という。2つ目の懸念材料として、ロシアのウクライナ侵攻もある。この影響を受けて、各種の装備やパーツの供給不足が加速する可能性も生じてきた。 開発者は「新型コロナウイルスの影響が今後も続くと、クルマ造りも見直す必要が生じる」と心配する。今まではその車種に特化した特殊なパーツも使えたが、供給できるメーカーが1社だけでは、途絶えるリスクも考えねばならない。それを回避するには、代替えの可能な汎用性の高いパーツを選ぶ必要も生じる。 このように新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻は、今後の自動車開発や生産のシステムを大きく変える可能性も秘めている。ノア&ヴォクシーの納期遅延は、その身近な影響というわけだ。

  • 新型トヨタ・ノア&ヴォクシーの納期
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