世の流れもユーザーの声も汲んだハズ! なのにモデルチェンジで人気凋落した残念なクルマ3選
この記事をまとめると◼︎モデルチェンジによって人気モデルから不人気モデルになったクルマを紹介◼︎ネガな部分が消えているので悪いクルマではなかった◼︎長い歴史に終止符を打ってしまったケースもある
人気モデルだったはずなのにモデルチェンジで大ゴケ
ユーザーに受け入れられるクルマを作るというのは自動車メーカーにとっては重要な要素のひとつ。しかし、大衆の声を取り入れたにもかかわらず、販売台数が伸び悩んでしまったという負のスパイラルに陥ってしまったモデルも存在する。 そこで今回は、そんな大衆ウケを狙った結果、従来のユーザーが離れてしまったという残念なモデルをピックアップしてみたい。
日産 エルグランド(3代目)
それまでは多人数乗車できることが最優先されてきた3列シート車に、「高級」というテイストを持ち込んで大ヒットモデルとなったエルグランド。 しかし、2002年にトヨタがライバル車となるアルファードをリリースすると状況が一変。初代のキャラクターを踏襲した2代目エルグランドは徐々にアルファードにその地位を奪われるようになってしまったのだ。 そこで2010年に登場した3代目モデルでは、それまでのFRレイアウトを捨ててアルファードと同様にFFレイアウトへと変更。 それによって低床化を実現し、全高を低く構えたスタイルとしたのだが、堂々としたフォルムを求めるユーザーからは敬遠され、FRらしい素直なハンドリングに惚れていた従来のユーザーからはFF化に落胆する声が挙がるという結果となってしまった。
利便性は向上したものの惜しくも人気は下降気味に
ホンダ・オデッセイ(5代目)
3列シートを備えるミニバンでありながら、ステーションワゴン並みに低い全高とホンダらしいスポーティな走り味で瞬く間に大人気車種となったオデッセイ。代を重ねてもそのキャラクターはキープしつづけ、正常進化と呼ばれるモデルチェンジを繰り返していた。 しかし、2013年に登場した5代目モデルはそれまで存在していたフラッグシップミニバンであるエリシオンと統合されることになり、背の高いフォルムとスライドドアを備える一般的なミニバンスタイルとなってしまった。 プラットフォームこそホンダ自慢の低床レイアウトを持つ重心の低いものとなっていたが、リヤサスペンションがダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式(ホンダ的に言うと車軸式)となったことも、従来の走りを求めるユーザーからは否定的な声が出る結果となったのだった。 慌てたホンダは中国で販売されていたステーションワゴン風の3列シート車、ジェイドを日本に導入するも、6人乗りという中途半端な仕様であったことや、そもそもオデッセイではなかったことなどもあってこちらも低迷。 結局、ジェイドは2020年に、オデッセイも生産工場の閉鎖に伴って生産を終了し、現在は在庫のみの販売となっている。
日産 スカイライン(9代目・R33型)
1989年に登場した8代目スカイライン、いわゆるR32型は、GT-Rが約16年ぶりに復活するなどクルマ好きからすれば名車と言えるモデルとなっていた。 しかし、実際の販売はスポーツ性を重視したコンパクトなキャビンなどがメインユーザーであるセダンを購入する層から不評となり、販売成績は手放しで喜べるものとはならなかったのだ。 そこで1993年に登場した9代目モデルは一気にホイールベースを10センチ以上拡大。全幅も拡大して3ナンバーボディを纏っての登場となった。 しかし、今度は一転して間延びした印象であるとか大きく重くなったとかのさんざんな評価となり、先代を下回る販売台数に留まってしまったのである。