機械だって「しんどい」ときはある! 取説にもあるクルマの「シビアコンディション」とは
この記事をまとめると
■車検の際など、「シビアコンディション」という用語を耳にすることがある■何となく想像はつくものの、その定義はわかりにくい■「シビアコンディション」の意味について詳しく解説する
クルマにとって“シビアなコンディション”とは!?
シビアなコンディション。そう聞くと、なんとなくイメージが湧くと思うが……。クルマに対して、なにが、どう、どこまでシビア(厳しい)コンディション(状態・状況)なのか、具体的に言い切れない。そんな印象がある言葉である。 新車開発でシビアコンディションといえば、極寒から極暑が目に浮かぶ。極寒といえば北欧フィンランドのさらに北部でマイナス30度~40度といった気象環境で、自動車メーカーは量産車の走行テストをする。その真逆との灼熱の場としては、米カリフォルニア州とネバダ州の境に位置するデスバレーで気温40度から50度での長時間走行となる。 これらはクルマにとって、もっともシビアなコンディションだといえる。気温のみならず、標高差においてもシビアなコンディションは生まれる。標高2000m以上になれば内燃機関にとって吸気に対する状況が変わってくる。 また、4WDの走行では、深い泥地、岩や石による凹凸が激しい路面なども、タイヤやサスペンションに対してシビアなコンディションとなる。 シビアコンディションとは、こうした地理的な環境が厳しいという観点が想定できる。
使い方に応じたメンテナンスが必要
一方で、日本の一般道路や高速道路を走っていても、クルマにとってシビアなコンディションが生まれる。たとえば、輸送トラックやタクシーのように、数年で30万kmペースを走行してしまうことが挙げられる。 むろん、そうした条件にある商用車は当然、一般的な乗用車に比べて定期点検の頻度を増すことで、オイル、ブレーキパッド、ワイパーブレード、そしてタイヤなどの消耗品を適切に交換することになる。 トヨタのホームページには、メンテナンスの手引きとして次のような表記がある。 エンジンオイル交換の目安として、ガソリン車(ターボ車を除く)は、標準交換時期は1万5000km、または1年。これに対してシビアコンディション時の場合、7500km、または6カ月。 ガソリンターボ車の場合、標準では5000km、または6カ月のところ、シビアコンディションでは2500kmまたは3カ月。 ディーゼル車の場合、5000~2万km、または半年~1年ごと。シビアコンディションでは2500km~1万km、または3カ月~半年ごと、と表記している。 そして、注釈として、シビアコンディションの条件を「悪路走行が多い、走行距離が多い、山道など上り下りの頻繁な走行等」と示している。 クルマは、使い方に応じたきめ細やかなメンテナンスが必要。できるだけ良い状態で長持ちさせるための、基本中の基本である。