さよならオデッセイ……だがすぐ会える可能性も!? 一世を風靡したホンダのミニバンは何が凄かったのか5世代一気見せ

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この記事をまとめると

■ホンダの「オデッセイ」を元オーナーが思い出とともに振り返る■生産は終了したが、じつはまだ在庫分の販売が行われている■海外ではまだ人気車種で販売が続くので、復活する可能性も将来的にゼロではない

日本のミニバンに革命を起こしたオデッセイを振り返る

 日本における多人数乗用車=乗用車ベースのミニバンの礎を築いたのは、間違いなく1994年に華々しく登場した初代オデッセイだと思う。そのオデッセイは5代目へと導かれ、しかし2021年12月24日、コロナ禍のクリスマスイブの日についに生産中止となり、27年におよぶ歴史の幕を閉じたのである。 しかし、本原稿執筆時点の2022年8月中旬、ホンダのHPにはまだオデッセイが掲載されている。「一部タイプ・カラーがお選びいただけない場合があります。詳しくは販売会社にお問い合わせください」とある。つまり、在庫があるかぎり販売され、在庫がなくなった時点で、寂しい限りだが、本当の販売終了、”さよならオデッセイ”となるわけだ。実際、工場出荷時期目処の項目にはすでにオデッセイの名前はない。 ここで改めてホンダ・オデッセイの歴史を振り返ってみれば、初代は1994年、ホンダの一大戦略となったホンダ・クリエイティブムーバーの第1弾として「家族の幸せを」テーマとしてデビュー。当時のホンダにはRV(レジャービーグル)のジャンルのクルマはなく、そこを補う意味での企画だった。ところが、企画したのはいいものの、ホンダの生産拠点では背の高いRV、あるいはスライドドア車に対応する生産ラインを持っていなかった。そこで苦肉の策としてホンダ狭山工場のアコード用生産ラインを使うことになり、じつはそこで全高が決まったという話はあまりにも有名である。 しかし、アコード用を使う生産ラインの制限ある全高では、ミニバンならではの室内空間は確保しずらい。そこでミニバンとしての室内高、つまり子供が車内で立って歩ける室内高1200mmを確保すべく、現在のホンダ車では当たり前になった低床パッケージ(のちにセンタータンクレイアウトに発展)が、じつは逆転の発想で誕生したのだった。初代のボディサイズは全長4750×全幅1770×全高1645-1660mm。ちなみに初代のデビュー当初のシートレイアウトは2列目キャプテンシートの2-2-2座席の6人乗りが基本。それに2列目ベンチシートを追加したことで一気にブレイク。実際、初代オデッセイユーザーの約70%が2列目ベンチシートを選んだという。1人でも多くの乗員が乗れるほうが便利そう、お得だ……という当時の日本人の価値観がそこにある。 そして、当時としては画期的な、5代目まで貫かれた3列目席を床下にスマートに格納するパッケージング&機構も、なんと初代オデッセイで確立されていたのである。理由は簡単、「シートだらけの車内はカッコ悪い」、という開発陣の強い想いからだったという。なお、初代のパワートレインは2.2リッター直4、2.3リッター直4、そして3リッターV6を揃え、ホンダの走りへのこだわりから、サスペンションは贅沢にも前後ダブルウイッシュボーンが奢られていた。つまり、単なるファミリーミニバン、多人数乗用車ではなく、走り好きのパパも納得できる走行性能を持っていたことになる。 そして、絶好調のオデッセイは1999年に2代目へとバトンタッチ。エクステリアデザイン、パワートレインはキャリーオーバーされ、初代後期の2.3リッター直4、3リッターV6の布陣のままだったのだが、シフトレバーはコラム式からインパネに移されたゲート式(Sマチック)となり、さらに走りに重点を置いて進化した2代目と言っていいだろう。それを象徴するのが2001年11月のマイナーチェンジで追加された、その後、オデッセイのメイングレード、代名詞ともなったアブソルートである。アブソルートはローダウンサスペンションと17インチタイヤを装着した、まさにミニバンのスポーツモデルという位置づけで、その欧州車にも匹敵する走りの質感、上質かつスポーティなフットワークテイスト、そして3リッターV6エンジンの気持ち良さ、パワーフィールに感動し、筆者はパールホワイトのアブソルートV6モデルを即買いしたのだった。 では、もっともスポーティなオデッセイはどの世代だったのか。答えは2003年にデビューした3代目のアブソルートだと言われている。何しろ全高をいきなり立体駐車場への入庫も容易な1550mm(2代目は1660mm~)とし、低全高・低重心を推し進め、K24A型エンジンは標準車が160馬力、アブソルートが200馬力と差別化されるとともに、アブソルート用のエンジンはなんとハイオク仕様だったのである。当時、自身の2代目3リッターV6アブソルートと3代目アブソルートを対決させたが、ボディ剛性、そしてエンジンの痛快な回り方、スムースさ、動力性能でなんと2.4リッターリッター直4にして上まわっていたのであった(泣)。※左が筆者のアブソルート、右が3代目オデッセイ 2008年に新型となった4代目オデッセイは全高1545mm~の低全高、低重心パッケージを維持しながら、より高級感あるエクステリアデザイン、インテリアデザインを含むキャラクターへと進化。上質かつスポーティさが一段と磨かれた走行性能は、自動車評論家に絶賛されたものだった。とはいえ、この頃は2代目トヨタ・ノア&ヴォクシー、アルファード、3代目ホンダ・ステップワゴンといったボックス型ミニバンが猛威を振るっていた時代で、低全高ミニバン離れが加速していった頃でもあり、販売は好調とは言えなかった。

復活の可能性アリ?

 そこで、2013年に登場した5代目オデッセイは、オデッセイ初の両側スライドドアを備えるとともに、全高を1695mm~に拡大。国内のホンダのフラッグシップミニバンとしての堂々感、3列目席を格納することで大容量ワゴンとして使えるパッケージング、使い勝手の良さなどが魅力だったが、なんとも乗り心地はハード。知り合いが先日、5代目初期型アブソルートの中古車を買ったのだが、家族から「後席の乗り心地が硬い」と大ブーイングを浴びたらしい。とはいえ、ライバルメーカーのミニバン開発者から「ミニバンの皮を被ったスポーティカー」と評される運動性能は文句なしだった。 で、今回、2020年末に行われたe:HEVアブソルートのビッグマイナーチェンジ車両に改めて再試乗。ビッグマイナーチェンジのハイライトはまず、顔つきのブラッシュアップだ。ボンネットを高め、厚みを持たせることで力強さを増幅。オラオラ顔とは違うジェントルな大人っぽさを残しつつも、今流行りの”迫力顔”になったというわけだ。さらにヘッドライト、グリル、バンパー、フェンダーなども一新。これまでとは別物の顔つき、フロントビューになったと言っていい。インテリアではインパネ、メーター、シート表皮を一新。質感をさらに高めているのが特徴だ。装備面でも光が流れるシーケンシャルターンランプ、パワーテールゲート、ジェスチャーでスライドドアが開閉するパワースライドドア機構、その予約ドアロック機能なども追加されている。 そんな新型オデッセイの注目点は、国産ミニバン最上のかけ心地と言っていいかも知れない2列目プレミアムクレードルシートだ。もっと豪華なキャプテンシートはあるにはあるが、ゆりかごのように、シートバックをリクライニングさせても顔が正面向きのままになる中折れ機構、シート表皮裏に約3センチものソフトウレタンを奢った贅沢な座り心地の良さ、そしてシート振動のなさはもう絶品である。もちろん、最大170度のリクライニング機構を備え、ビジネスクラス並みのエクスクルーシブな居心地の良さを誇る。 先進運転支援機能のホンダセンシングは最新とは言えないものの、十二分な内容で、電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能(ヴェゼル、ステップワゴンにあるメモリー機能はなし)も備え、ACCの作動も悪くない。 最終型のオデッセイe:HEVアブソルートを走らせれば、アブソルートならではの硬質な走りの質感、スポーティな操縦性、ミニバンとは思えないフットワークテイストはそのままに、18インチタイヤ(または17インチ)とノイズリデューシングホイールを履く乗り心地は劇的に改善され、濃厚なタッチを示してくれるのが印象的だ。家族からのブーイングなど出ないであろう乗り心地(決して柔らかくはないが)、完成度を誇る最終型と言っていい。夜、スライドドア部分のサイドウインドウ下端にイルミネーションが光るアイディアもなかなかだ。試乗したe:HEVアブソルートの実燃費は、WLTC総合モードの19.8~20.0km/Lに対して、高速道路50%、一般道50%の走行で18.0km/Lを記録。このサイズのミニバンとしてなかなかの燃費性能を発揮してくれたことも、最後に付け加えておきたい。 もし、そんな最終型オデッセイを手に入れたいのであれば、お店に急ぐ必要があるが、ホンダ関係者に聞いてみると、日本においてオデッセイが絶対に復活しない……ということではないようだ。中国で人気を維持する輸出仕様のオデッセイは来年フルモデルチェンジが予定されているらしく、そのタイミングで日本でもオデッセイが復活する可能性はないとは言えない。当然、打倒アルファードの新型になるはずで、期待は膨らむ。本題は「さよならオデッセイ また会う日まで」だが、「また会う日」はそう遠くないかも知れない。「おかえりなさい、オデッセイ」そう言える日が、2代目アブソルートV6を10年以上愛用した隠れオデッセイファン!? のボクとしては、とてもとても待ち遠しい……。

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